実家から離れて暮らす子供世代にとって、高齢の親世代への心配事が少しずつ気になり始めます。
特に、築年数の経っている家は、バリアフリーへの配慮がなされていないことが多く、安全に暮らせないのではないか、などの不安が日々膨らんでいきます。
そんな不安や、どうやって少しでも安心できる日々を手に入れられるかなどを、シェアしてみよう、との思いで仲間内の座談会を開催しました。
事前アンケートにお答えいただきました!
当日の所要時間は1時間。
なるべく効率的に進められるよう、事前にアンケートにお答えいただき、ご質問などをいただきました。
しかしながら、参加者の皆さんのご心配事がたくさんあり、時間内に全部についてお話することが出来ず、やや消化不良気味で終了となってしまいました。
せっかく書いていただいたので、ブログでその内容に触れてみたいと思います。
ご質問のボリュームがありますので、何回かに分けてお話しすることにします。
当日のお話の内容やアンケートに書かれていた心配事は大きく分けて5つ。
1.家の老朽化
2.浴室に関すること
3.トイレ・キッチンなど浴室以外の水回りに関すること
4.古い家具など、ご実家に残されたモノたちの片付けのこと
5.漠然とした不安
前回のブログでは1の老朽化と少しだけ4のお片付けについて書きました。
今回は参加者の皆さんの一番の関心ごとだった浴室について考えてみようと思います。
お風呂のお悩みをまとめてみる
お風呂に関するお悩み事は大まかにまとめてみると5つ
1.浴室そのものが古い(ユニットバスではなく、タイル張りなど)
2.設備が古い
3.寒い
4.脱衣室と段差がある
5.浴室床と浴槽の立上り高さや浴槽の底との差が大きく、またぎにくい
長い年月が経過した浴室を、快適で安全な癒しの場所にするための方法としては、以下が考えられます。
1.古い浴室を撤去してユニットバスに変える
2.撤去まではせず、床・壁を張り替えたり、建具・浴槽を交換する。
3.設備を交換・新設する(給湯器・浴室乾燥機など)
4.バリアフリー用のリモデル商品を活用する
多様なユニットバス
もし、予算と時間がとれるのであれば、既存の浴室をユニットバスに変えるのが望ましいと思います。
各メーカーとも、バリアフリー・ユニバーサルデザインについて様々な配慮を施した商品を用意しています。
目的に合わせてカスタマイズできる部分も多いので、浴室に関するだいたいのお悩みは解決の方向に進むはずです。
もし、可能であればお使いになるご本人と一緒にショールームで使い心地を体感してみることをお勧めします。
カタログで寸法を見ただけでイメージすることはなかなか難しいですが、実際のユニットバスの中に入ってみて、浴槽をまたぐ高さ、手摺の位置などリアルに感じてみることはとても大切です。
リフォーム用建材を活用する
築年数の経ったお宅の浴室はタイル張りや一部タイル張りのものが多く見受けられます。
寒かったり、掃除がしにくかったり、と高齢になるにつれ、負担が大きくなります。
しかもなぜか水色などの寒色が使われていることが多くて、見た目も寒々しかったり。
これを壊してユニットバスにする、ということが出来ないときには
「バスパネル」を既存の壁の上に貼ることをお勧めします。
壁・天井共に使用できるので、見た感じはユニットバスのようになります。
また、タイルの壁に比べると保温性もあるので、浴槽から出るとすぐに寒さを感じる、と言うことが軽減されます。
洗面脱衣室と浴室との段差やタイル張りの床の冷たさを解消するのに便利なものに
「浴室すのこ」があります。
表面はユニットバスの床の素材で、高さを調整できるので段差のお悩みを解消できますし、
タイルの床のひんやり感を軽減できます。
他メーカーにもいろいろありますので専門家に相談してみるのもいいでしょう。
これを設置することにより、既存の浴槽との高さの差も小さくなり、浴槽をまたぎやすくなります。
ただ、浴槽の深さは変わりませんので、それも含めて考えたい場合は浴槽の交換も視野に入れる必要があります。
設備を見直す
浴室や脱衣室が寒い場合、温度差によって血圧が大きく変化するヒートショックを引き起こす危険があります。
もしご予算が許せば、浴室乾燥機の設置をお勧めします。
お風呂に入る前から温めて置けば、入浴時に寒い思いをすることがなくなりますし、浴室のドアを開けて置けば脱衣室も一緒に暖まります。
脱衣室だけで言えば、人感センサー付きの電気暖房機がいろいろあります。
比較的安価なものも多数ありますので、応急措置としてまず使ってみるのもいいかもしれません。
浴室乾燥機ご利用の方で、洗濯物を浴室に干して乾燥させている方が多数いらっしゃいます。入浴の時にこれをいちいち取り込まなければならないのが、ちょっと面倒、とおっしゃる方も。
座談会でもそのお話が出ましたが、参加者の方から耳寄りな情報をいただきました。
衣類乾燥除湿器を使う、とホントによく乾く、とのこと。
私は使ったことが無かったのですが、実際に使っている方の声は貴重です。
※写真はアイリスオーヤマの商品です
また、最近ではあまり見かけなくなりましたが、浴室内に「バランス釜」と呼ばれる湯沸かし器が浴槽の横についていることがあります。
昔からあるバランス釜の場合、お湯はりの時のお湯の量、お湯の温度をご自身が管理しなければなりません。
水を溜めていることを忘れて、あふれだしたり、お湯が熱くなりすぎたり、空焚きをしたりと言うことが起きる可能性があります。
年を重ねるにつれ、色々なことの管理が難しくなってくることが考えられますので、ご自身での調整を必要とすることは少ないほうが安心です。
お風呂の場合はスイッチを押すだけで最適な湯量・温度になる給湯器の設置をお勧めします。
バリアフリー用の商品を利用する
大がかりなリフォームが難しい時は色々なバリアフリー用の商品がありますので、まずはそれらを使ってみるのもいいでしょう。
これらを使うことで、身体が楽になったりすると、気持ちも明るくなります。
お風呂に入るだびに毎回たくさんのエネルギーを使うことになると、疲れたり面倒になったり、と入浴の回数が減ってしまうこともあります。
これらの商品は介護保険でレンタルできたり、補助があったりするものもあるので、専門家に相談してみることをお勧めします。
浴室のリフォームは完璧を目指すと高額な費用と、時間を要します。
使う方の状態にあった方法で、より安全に快適なお風呂タイムを過ごせるよう、考えたいものです。
前回のブログでもご紹介しましたが、リフォーム支援制度のの検索サイトがありますのであわせてお知らせします。
今回はお風呂をメインに書いてみました。
次回はトイレやキッチンなどお風呂以外の水回りについて書いてみたいと思います。
オンライン相談も受け付けています。
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