
軽量鉄骨2階建ての住宅を二世帯住宅にしたい、というご依頼をいただきました。
ご夫婦二人のお住まいでしたが、とても残念なことにご主人が急逝してしまいました。
お一人になってしまったお母さまを心配した息子さんご夫婦が二世帯住宅を申し出た、という経緯です。
~二世帯住宅の間取りの種類~
二世帯住宅の間取りの種類は、大きく分けて3つのタイプがあります。
1.完全同居型(共有型)
各世帯の寝室以外を二世帯で共有する住宅
2.完全分離型(独立型)
各世帯の生活空間を玄関から完全に分けた形の住宅
3.共有型(部分共有型)
住宅の一部分(玄関・浴室など)だけを共有し、それ以外のスペースを各世帯で分離す
る住宅
今回のご家族は、親世帯・子世帯とも仕事があり、生活時間帯が違うため、完全分離型とすることになりました。
~玄関を分ける~
まずは、玄関。
一般的な住宅なので、現況ではもちろん玄関は1階に一つ。
鉄骨階段を設置し、2階の壁に開口を作り、玄関にします。

この壁の一部を壊して玄関の開口を作ります。
注意しなければいけないのは
「構造上抜いてはいけない壁」があるということ。
設計者・施工業者は最初に建てたときの図面や現場を確認して、細心の注意を払わなければなりません。
まずは仮設の階段と踊り場を設置


壁を削って玄関ドアが付くサイズに穴をあけ
玄関ドアと照明を付けると

既存の建物の外観を損なうことなく
ご希望の玄関ドアを付けることができました。
次に仮設の階段を撤去して鉄骨階段を設置します。

それまであったポストとは別に、息子さん世帯用のポストとインターホンも新設しました。

少し狭いですが道路からのアプローチも分けました。
ポストを挟んで向かって左が親世帯
右が子世帯になります。
~やり方はいろいろ~
外壁に穴をあけるのは大変ですし、施工がうまくいかなければ雨漏りなどのリスクもあります。
もし、大きな窓などあらかじめ開口部があれば、それを利用するのもいいでしょう。
また、今回は外階段で2階に上がって玄関、という形ですが
1階に玄関を二つ付けて、玄関を入ったら直ぐ階段を上る、という方法もあります。

敷地や建物の状況を考慮して、その建物により良い方法を考えて、両方の世帯が快適に暮らせるやり方を一緒に見つけていきましょう。
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